自社Webサイトを約130日で完成させる工程定義

この記事は、タヨリヤデザイン株式会社が行っているAIとWeb構造に関する検証過程の「観測結果の要約」です。

個別の生成AI出力や生ログは公開せず、複数の観測から得られた傾向と構造差のみを整理しています。

Webサイトは、完成品ではなく流動的な情報基盤です。

AIによる回答が検索体験に入り込む現在、企業は「どう作ったか」ではなく「どう理解されたか」で評価されやすくなっています。

タヨリヤデザインは、自社サイトを検証対象そのものとして扱い、AI検索とSEO検索、そしてサイト構築の因果関係を観測できる形で工程を設計しました。

本記事は、そのための工程定義です。

段階的に完成させながら、何が影響し、何が影響していないのかを説明できる状態を残します。

なぜ最初から完成させないのか

Webサイトは完成品ではなく流動的な情報基盤

従来のWebサイト制作は、公開した時点を「完成品」として扱うことができました。

しかしAIによる回答も検索に入ってくる現在、Webサイトは企業の公式情報を担う情報基盤としての側面が強くなってきました。

  • AI検索や生成AIが参照する一次情報源になる
  • 企業の公式発信情報の集約点になる
  • 社会における信用判断の材料になる

そのため流動的に変化する企業活動を支えるには、作って終わった初期状態のままのWebサイト構築は、後々成立しづらくなります。

それは、意図していない理解が定着すると、説明コストや機会損失といったリスクが、知らない間に広がってしまうことにもに繋がります。

Webサイトは多層構造で読まれている

流動的な情報をいかにして正しく伝えるか。

Webサイトを母艦として考えるのであれば、検索エンジンはさることながら、特に生成AIへの最適化はWebの世界では目下の課題ではないでしょうか。

タヨリヤデザインでは、AI時代のWebサイトは、単一の最適化では成立しないと考えています。

Webサイトを読み取る主体と役割を分解し、最適化対象を4つの視点として整理しています。

当社ではAEOを、下記4領域を横断する総称として扱います。

AI時代のWeb最適化フレーム
用語 対象 役割
SEO 検索エンジン(Google検索・Bing検索) 検索に発見される
LLMO 生成AI(ChatGPT/Gemini/Claudeなどの大規模言語モデル) 文脈として語られる
AIO 公開情報全体(Web・SNS・PDFなど) 情報が統合される
GEO 出典付き生成検索(Perplexity/AIモードなど) 出典として引用される

AI時代にWebサイトが「どう理解されるか」の過程を見る

つまるところ、AIは、コンテンツを情報なしにはわかってくれません。

断片化した情報を統一して、構造としてどう整合し理解できるかを見ています。

そこで、タヨリヤデザインは自社サイト制作するにあたって、AI検索・SEO検索とサイト構築の因果関係の実験対象としました。

デザイン、スキーマ、FAQ、ブログ、外部SNSを同時に実装すると、因果が見えにくくなります。

本来、Webサイトの納品においては、最低限必要な情報構築をまとめて行うのが当たり前ですが、当社は自社サイト完成を一度に行わず、時間を分解し、工程として扱います。

この過程を見ることで、どの施策が影響し、どれが影響していないのかが理解できると考えています。

設計として時間を扱う

この実験は、短期的なWebサイト最適化を目的としたものではありません。

重要なのは「何をやったか」よりも、その時点で何をやっていないかを固定することです。

Webサイトを試行錯誤できる対象として扱い、変更の影響を説明可能な形で観測できる状態を残すこと。

それ自体を目的とした設計を目指します。

ステージ設計という舞台装置

検索インデックス、UX、AIによる解釈は、同時に変動します。

そのため、因果と変化を観測可能にするには、工程側で前提条件を揃える必要があります。

  • 期間ごとに実装部分を決める
  • 変更点を期間ごとにまとめる
  • 観測条件を固定する
  • 結果は「傾向」のみを見る

この因果を観測するための原則にもとづき、ステージ0からステージ5を定義します。

各ステージは、実装内容と観測の役割を分離するための単位として設計し、進行中の状態を「未完成」とせず、設計された段階的な完成状態として扱っていきます。

ステージ構成・実装スケジュール約130日
ステージ 期間 目的
ステージ0 1日間 実装前の基準点:価値ゼロの状態を明示し基準点を作る
ステージ1 15日間 サイト素体完成:テキストと骨格で読める状態を成立させる
ステージ2 14日間 見やすさ調整:UX改善はするが情報は増やさない
ステージ3 21日間 構造とスキーマ整備:FAQと基本スキーマで参照構造を作る
ステージ4 24日間 内部発信完結:ブログで内部完結度を上げる
ステージ5 56日間 外部統合:外部チャネルと統合する

この工程定義の意味するもの

Webサイトにおける手法はいずれ変わります。

ツールも、AIも、検索の仕組みも変わります。

変化に追従できるのは、手順の丸暗記ではなく技術理解と判断基準を持つことです。

  • なぜ一気にやらないのか
  • いつ入れるのか
  • なにを基準にするのか
  • どこで観測するのか
  • どう問いかけるのか

当社の自社Webサイトは、タヨリヤデザインがこれまでの実務と検証を通じて蓄積してきた知見をもとに設計しました。

自社サイトを検証対象そのものとして考えることは、AI時代におけるWebサイト制作のあり方を、実装と観測を通じて再検証する工程定義になれば良いと考えています。