自社Webサイトを読める状態にするまでの実装
この記事は、タヨリヤデザイン株式会社が行っているAIとWeb構造に関する検証過程の「観測結果の要約」です。
個別の生成AI出力や生ログは公開せず、複数の観測から得られた傾向と構造差のみを整理しています。
Webサイトは、完成させて終わる制作物ではありません。
検索エンジン、UX、生成AI──それぞれが同時に情報を読み取る現在、企業Webサイトは「何をしたか」よりも、「どの状態で、何をしていないか」を説明できることが重要になっています。
本記事では、タヨリヤデザイン株式会社が自社Webサイト構築において、因果と変化を観測可能にするために設計した実装順序と、ステージ0〜2までの実装内容・固定点を記録します。
ここで扱うのは成果ではなく、次の施策を意味あるものにするための準備段階の設計と判断です。
実装順序を整理
この記録は何か
まず、この記録で扱うのは、検索インデックス、UX、AIによる解釈変化に対する因果と変化を観測可能にするための準備です。
サイト設計は見た目より前に、公式情報として最低ラインの観測条件の担保できる構築を進めていきます。
- 機械的に読める状態をつくる
- 人間が読める状態をつくる
- 未実装を固定し、次の差分が説明できるようにする
ステージ0から2の流れ
ステージ0から2でやることは、作業の羅列ではありません。
読める状態を先につくり、未実装を固定して、次の変化を説明できるようにするための設計です。
Webは作れば終わりではなく、更新され続ける公式情報です。
その入口を、まず人間が読める順序で成立させる。
この固定があるからこそ、次のステージで入れる施策が意味を持ちます。
| ステージ | 期間 | 目的 |
|---|---|---|
| ステージ0 | 1日間 | 実装前の基準点:価値ゼロの状態を明示し基準点を作る |
| ステージ1 | 15日間 | サイト素体完成:テキストと骨格で読める状態を成立させる |
| ステージ2 | 14日間 | 見やすさ調整:UX改善はするが情報は増やさない |
ステージ0 実装前の基準点
ステージ0で実装・対応したこと
ステージ0は、未完成の一次情報を外部に出さないための制御です。
ここで作るのは、ゼロの基準点です。
- 空白HTMLを用意し、meta robotsをnoindex,nofollow
- ベーシック認証
- WordPress本体も念のためnoindex
- 固定ページは全て下書き
- タイトルは暫定の名前
- 公開ファイルは内容なし
- schemaなし
- canonicalなし
- 外部リンクなし
これがステージ0の固定点です。
ここでは公開整備を進めず、クロールされないよう念入りに用意を行います。
こちらから先に新たな情報を出さないことが、誤認とノイズの入口を塞ぎ、後の観測を成立させると考えたからです。
ステージ1 サイト素体完成
ステージ1で対応したこと
ステージ1の目的は、デザイン前(テキストのみの常態)でもWebサイト単体で機械的に読める状態をつくることです。
骨格、意味、公式性の順で整えていきます。
スキーマもブログも外部統合も、ここでは入れません。
入れる前提を作る段階になります。
- HTML骨格と見出し構造とセクション
- ヘッダーとグローバルナビとフッターの基本構成
- タイトルとディスクリプションなどメタの整備
- OGP整備
- canonical設定
- noindex,nofollowとベーシック認証の解除
- コアバイタルのチェック
- 段階的に整備していく旨の注記
ステージ1で実装したコンテンツ
基本となるコンテンツを実装しています。
サイト情報の厚みを持たせるため当社のできることを中心に構造を作ります。
公式性を損なわないように、プライバシーポリシーやサイトマップまで網羅しています。
デザインは未実装だが文章は掲載している状態にし、サイトが公式情報として読める最低ラインを維持しました。
- トップ
- 設計哲学
- サイト制作
- 支援事業(再構築支援・スタートアップ支援・ディレクション支援・WebとAIリテラシー教育支援)
- 当社について
- お問い合わせフォームとサンクスページ
- プライバシーポリシー
- サイトマップ
- 404
ステージ1の状態
ステージ1の状態の一部をスクリーンショットに記録します。
後で差分を説明するための基準点になります。
トップページ
装飾を加える前段階として、トップ(ヘッダー部分)の状態事業内容と主要導線がテキスト構造のみで成立しているかを確認。
またフッター部分のグローバル導線・企業情報・補足文言が、装飾に依存せず読み取れるかも確認しています。
下層ページ(設計哲学ページ)
下層ページで、文章量・見出し構造・情報の順序が成立しているかを確認しました(設計哲学ページ以外もほぼ同じ構造です)。
視覚的演出を行う前に、内容のみで読解可能かを検証します。
計測ツールの状態
PageSpeed Insightsから、Core Web Vitalsを計測しました。
構造とテキストのみを実装した段階での基準値として保存します。
なお数値の優劣や評価は本記事では扱いません。
ステージ2 見やすさ調整
ステージ2で対応したこと
ステージ2は、コンテンツ内容を増やさずに見やすさを整えます。
人が見たときに工事中ではなく、UI・UXを整え、読める状態にするのが目的です。
読みやすさと観測可能性の土台を作るだけで、この段階では、構造の高度化には進みません。
- レイアウト・デザイン調整
- アクセシビリティの導入
- 軽微な文言修正
- Google Analyticsの導入
- Google Search Consoleの導入
ステージ2で実装したコンテンツ
コンテンツはステージ1のもののため新たに実装はしていません。
ステージ2の状態
ステージ2も、状態の一部をスクリーンショットに記録します。
ここではサイト状態の可読性と計測導入の事実を残しています。
トップページ
トップは、内容は追加せず、文字組み・余白・視線誘導のみを調整した状態を固定します。
可読性と導線が最低限成立しているかを確認。
またフッター部分において、情報量を増やさず、コントラストと配置によって、企業情報と補足文言が無理なく読み取れるかを確認します。
下層ページ(設計哲学ページ)
下層ページで、見出し階層・余白・内部導線が、読み手の理解を阻害せず成立しているかを確認しました。
構造そのものはステージ1から変更していません(設計哲学ページ以外もほぼ同じ構造です)。
計測ツールの状態
ステージ2でも、PageSpeed Insightsから、構造変更を行っていない状態でCore Web Vitalsの計測を行いました。
ベースデザイン反映後の基準値として保存します。
なお数値の良否や評価は本記事では扱いません。
解析ツールの状態
Google Analytics(GA4)とGoogle Search Consoleを導入しました。
アクセスと挙動を観測可能な状態へ移行した事実を固定し、以降の変化を観測できる状態に入ったことを示します。
ここでは成果ではなく、計測環境の整備のみを示しており、数値の解釈は本記事では扱いません。
最低限の公式性の担保と次回以降実装
ステージ2までで、最低限の公式性を担保するにとどまり、意図して入れていないものがあります。
これは遅れではなく、原因を分離するための設計です。
本来サイトシグナル的には必須項目とも言えますが、次のステージ以降に実装します。
以降のステージで実装
- スキーマの実装
- FAQの投稿システム(現状は静的記述)
- 支援診断の実装
- ブログ機能(内部発信)のシステム実装・稼働
- 外部発信と統合
次は、構造とスキーマ整備へ進みます。
狙いは、文章の寄せ集めから抜けて、AIと人間の両方が参照しやすい情報構造の下地を作ることです。
この段階から、同じ質問セットで再確認し、FAQ由来の要素がどの程度混ざり始めるかを観測できると考えています。